院長コラム

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Doctor’s Column

「皮下脂肪は食事制限だけで落とせる」は本当か? 2020/3/26

メタボ体型の自分に「食事指導のスピーチをせよ」とのミッションが…!

今でこそスリムな体型の私ですが、実は10年ほど前までは完全なメタボでした。体重は今より20㎏以上も重い85㎏で、診察着はLLサイズ、それもパッツパツ。お腹が邪魔で下が見えないほどの超肥満だったのです。

そんな私に転機が訪れたのは2009年7月、50歳のときでした。「来年の3月に市民公開セミナーを開くので永野先生にも話をしてほしい」と、某大学の先生から連絡をいただいたのです。最初は辞退しましたが、私の専門である腎臓病のガイドラインに載っている生活指導についてだから大丈夫と、押し切られる形で引き受けたのです。

しかし、この体で生活指導というのも説得力がありません。ガイドラインを開くと案の定、ダイエットのことが書かれていました。

このままでは医師生命が終わると途方に暮れていたところ、クリニックの納涼会で看護師が得意気にジョギングをしていると話すのを聞きました。私もダイエットをしなければならないので、痩せて走れるようになったら、みんなでホノルルマラソンに参加しようと、その場の勢いで盛り上がり、自分を追い込む形で目標ができたのです。

そこで私は、半年間で10㎏、20㎏落とせる究極のダイエット方法を真剣に考えました。まず取り組んだのは、単純に食べる量を極端に減らすことです。朝食は抜き、昼食はおにぎり1個、夕食はキャベツの千切りなど山盛りの野菜と肉や魚を一切れ。これを8月から翌年の2月までの半年間続けました。その結果、20㎏の減量に成功したのです。無事に市民公開セミナーにも間に合い、醜態をさらすことは避けられました。

 

[図表]ダイエット前後の私

左:2009年5月(50歳、85kg)、右:2019年10月(61歳、65kg)

皮下脂肪は「内臓脂肪を落としてから落とす」のが効果的

痩せるか否かは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスで決まります。消費カロリーを上回る量を食べるから太るわけで、食べなければ確実に痩せるのです。

ただし、私の場合、お腹は減量前より引っ込んで見た目は変わっていても、まだぽっこりしていたうえに、皮膚がブヨブヨした感じで締まりがなかったのです。

肥満の原因である脂肪には、胃腸や肝臓など内臓の周りにつく「内臓脂肪」と、皮膚と筋肉の間につく「皮下脂肪」があります。どちらも食べ過ぎや運動不足が原因でつきますが、内臓脂肪はつきやすい反面、私のように食べなければ簡単に落とせます。これに対して皮下脂肪は体につきにくい反面、一度ついてしまうと落としにくく、食事制限をしただけでは落ちないのです。効果的に落とすには有酸素運動が不可欠というのが落とし穴でした。

そのため、効果的なダイエットにするためには、食事制限をして内臓脂肪を落とし、その後に有酸素運動で皮下脂肪を徐々に燃やしていく必要があります。これによって体がとても軽くなり、自然と階段も軽快に駆け上がれるなど運動が苦にならなくなってきます。それからトレーニングを始めると体が引き締まり、お腹の皮膚のブヨブヨも解消します。

実際に、私もこうして今の体型になりました。

 

皮下脂肪は食事制限だけで落とせる?

→ ウソ

習慣にしよう!

  •  食べないで落とせるのは、主に内臓脂肪。皮下脂肪は食事制限だけでは落としきれないので、きれいに痩せるにはこまめに歩くなど日常的に運動する習慣をつけましょう。
  • 〇カ月後のイベントで人前に立つから痩せよう、好きなブランドの服を着るために痩せよう、といった目標を掲げましょう。
この記事の執筆者 院長 永野 正史

三井記念病院内科腎センター勤務、敬愛病院副院長を経て2003年 練馬桜台クリニック開業。

山田太郎