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Doctor’s Column

「完全な断食でないと短期間では痩せられない」は本当か? 2020/3/26

「糖質制限」「多少は食べる」で、どれくらい減量できるか

コラム『「皮下脂肪は食事制限だけで落とせる」は本当か?』でご紹介したように、究極のダイエットを実践したときは、空腹との闘いで本当につらい日々でした。ところが、20㎏のダイエットに成功したことで気が緩み、リバウンドして体重が3~4㎏増えていたのです。だからといって金輪際ひもじい思いはしたくありません。私は新たな減量方法を探すことにしました。

短期間で痩せるには、単に食事量や食事の回数を減らすだけでは効果が得にくく、固形物を完全に絶つ水分だけの断食でないとエネルギー源として内臓脂肪や皮下脂肪が使われないので、あまり痩せられないといわれています。
そんなときに知ったのが、糖質を制限するケトン食の存在だったのです。これは、特に精製した砂糖を使った食品や、うどんやパンなどの小麦粉を使った食品を避け、代わりにタンパク質をしっかり摂れば良いので、比較的簡単にダイエットができるというもの。

そこで、今度は糖質制限を取り入れ、多少は食べながらも1週間でどれくらい減量できるのか、プチ断食を試してみることにしました。

私の場合は、1週間という期限を設けての挑戦のため、朝食と昼食を抜いて食事は夕食のみ。夕食ではご飯や麺類などの炭水化物は摂らず、その代わり肉や魚、野菜などはしっかり食べるというケトン食にしました。もちろん水分は、こまめに摂っていました。また、栄養面で不足がないように、いろいろなサプリメントを摂って補うことにしたのです。

これでも、なんとラクだったことか。それでいて体重は着実に落ち、1週間で3㎏も体重が減ったのです。この方法をもっと早くに知っていれば、あんな無謀なダイエットをしなくて済んだのに、と悔やまれるばかりでした。

糖質をエネルギー源にする回路から、ケトン体をエネルギー源にする回路へ

糖質を制限すると低血糖になって危険だといわれています。しかし、糖質を摂らなければインスリンが分泌されなくなるので低血糖は起こらず、空腹感はほとんどなくなります。すると、脂肪を分解してエネルギーをつくりはじめるので、内臓脂肪も減少してきます。しかも、頭がすっきりして仕事中に集中力が途切れなくなり、むしろ体調がよくなります。これにより、糖質を摂らなくても生命を維持できることを確信しました。

糖質制限をすると、糖質をエネルギー源にしていた回路から、ケトン体をエネルギー源にする回路へと体が変わっていくのです。その後、この状態を維持するために1日3食摂ってもケトン食にしていると、太ることもリバウンドすることも防げることが分かりました。

このようなことから、ちょっと食べ過ぎて太ったと感じたときは、プチ断食で調整することで、2~3㎏のダイエットで済み、1週間もあれば体をリセットすることができます。

 

完全な断食でないと短期間では痩せられない?

→ ウソ

習慣にしよう!

  • ダイエットを先送りにすると太り過ぎて、無謀なダイエットが必要になります。こまめに体重を量る習慣をつけ、2~3㎏増えた時点で調整するようにしましょう。
  •  空腹を感じることはなく、早く効果を出したいなら、タンパク質中心のケトン食ダイエットに取り組んでみましょう。
この記事の執筆者 院長 永野 正史

三井記念病院内科腎センター勤務、敬愛病院副院長を経て2003年 練馬桜台クリニック開業。

山田太郎